連投ですみません。
福岡友泉教室では、「マナビノ通信」を毎月、発行しています。
塾長が思っていることを皆さんに伝えようと思い発行しています。
今年は2回発行しました。
せっかくですので、ブログで紹介いたします。
1月号 「いつでも夢を、いつも心に太陽を」
受験勉強は自分の希望する学校に入学するために勉強をしています。
では、なぜその学校に入学したいのでしょうか?
その学校を卒業した後、どのような仕事に就くのでしょうか?または、どのような大学に、大学院に、進むのでしょうか?そして、どのような仕事に就くのでしょうか?
なぜその仕事をするのでしょうか?
仕事をしながら、どのような家庭を築くのでしょうか?
どのような子供を育てるのでしょうか?
どのような人生を歩みたいのでしょうか?
そもそも、学校に通うのは、まだまだ『世の中の役に立つだけの働きかた』ができないから、学校で学ぶのだと思います。
「学校」とは英語ではSchoolですが、元々の語源はギリシア語のスコレー (scholē)だそうです。
スコレーの意味は、「ひま、ゆとり」という意味があるそうです。
これは、働くから忙しい。働かない人はひま、ということだと私は理解しています。
世の中、働くことほど難しいことはありません。
知識があっても、知恵がなければ通用しない。
知恵は、体験によって生まれます。
それも、身を削るような体験をしないと知識に知恵は備わらないのだと思います。
子ども達には、智恵の源となる知識を身につけてもらいたいものです。
そのために、働かないで学校に行くのだと思います。
その上で、世の中の役に立つ仕事ができる人になっていくのだと思います。
私の教え子に、高校卒業後にネパールで学校を作った生徒がいます。
中学2年生の時にお母様を亡くし、高校入学時には勉強する目的を見失っていたため、とても荒れた言動をとっていました。
私は、社会科の先生として関わり、また、生徒指導面ではいつも指導対象となる生徒でしたから、よく呼び出して指導をしていました。
ただ、その生徒は将来の夢は持っており、漠然とではありますが海外で働きたいと言っていました。
お世辞にも良い生徒とは言えず、高校2年生の時には万引きをして停学になったりと、問題行動ばかりでしたが、教科を通して、色んなフィールドワークの課題を出すと、裁判所に行ったり(最高裁判所に電話で問い合わせしたり)と、とても熱心に勉強するので、ほぅ…と思いながら見ていました。
そうすると、高校卒業前、トルコの大震災の際に単身でボランティアに参加したのです。
そして、卒業後にはお菓子作りの専門学校に行き、専門学校卒業後、20歳になったのでお母様の遺産をもらって、ネパールで学校を作ったのです。
その後も、2年間、ネパールの学校で働き、帰国後、再びネパールの孤児院で働いた後、帰国。
そして、早稲田大学の国際教養学部に入学しました。
早稲田では、大学3年生の1年間は北京大学に留学し、卒業後は、東大の大学院でアマルティア・センの提唱する『人間の安全保障』という分野を研究し、卒業後、国連で働きました。
今は、外国人の旦那さんと結婚し、海外で生活をしています。
彼女をこのように突き動かしたのは、お母様が存命中に(小学校の先生だったそうです。)、学校の先生を退職したら、田舎の小さい村(島)で学校を作り、子供たちと一緒に学びたい!と語っていたことがその原動力になったのでした。
母の夢を娘が実現する。
素晴らしい親子の物語だと思います。
そして、彼女を突き動かしたもののもう一つに、一冊の本との出会いがあったのです。
それが、ミヒャエル・エンデの『ネバーエンディングストーリー』(果てしない物語)だったのです。
彼女は、小学生の頃に、誕生日プレゼントに贈ってもらい、何度も何度も何度も、読みなおしたのだそうです。そして、いつしか彼女の人生は、果てしない物語のように、ずっと夢を実現し続け、世の中の役に立つ人となっていったのです。
世の中には、難しいことがたくさんあります。
でも、私に何ができるのだろう?私は世の中の役に立つことが出来るのかな?
と問い続けていれば、自ずと道は拓けるのではないかと思います。
いつでも夢を。いつも心に太陽を。