先日の「まなびのアフター・スクール」での出来事。
小学1年生のH君が、メモ帳を欲しがっていたので、スタッフの先生が1冊上げたところ、「あと3冊ちょうだい。」と言うので、「何で3冊も要るの?」と聞くと、2冊は2人のお兄ちゃんのため、1冊はママのためと言ったんだそうです。
スタッフの先生も「ママはいいんじゃない?」と聞くと「だって、ママ大好きなんだもん。」と言っていたんだそうです。
スタッフの先生も胸がキュンとして、「わかった!あげるよ。」とつい言ってしまったそうです。
「ママ、大好き!」
もう、その一言で、この子の子育てはうまくいっているんだろうな~、と思います。
大数学者の岡潔先生の著書「春宵十話」を読んでいると、学問的な本質的理解ができるかどうかは情緒が醸成されているかどうかが重要であるといわれています。 その情緒とは、幼いころの故郷の情景であったり、大自然の悠大さを感じたり、生命の大切さを感じたりという、理性ではない感性の部分で感じたものが情緒になると言われておりました。
その中でも、特に人間の感性を貫くものが、家族の愛情なのです。
お母様の母体の中で育まれたときの「温かさ」こそが、その人の感性の原点になるのだろうと思います。
高校の教員をしていた時にはなかなか感じることが少なかった母の温かさが、「ママ、大好き!」という言葉で表現されているのだと思います。
学力の大切さは痛いほどわかりますが、同時に心の豊かさがなければ、心は安定せず、安定した習慣も身につかないのだろうと思います。